パユのコンサート感想

2001年11月30日
会場:愛知県芸術劇場
共演:ケルビーニ弦楽四重奏団

感想:愛知県芸術劇場には初めて行きました。音響はよく行く大阪のシンフォニーホールとはまたひとあじ違う感じですが、響きもよくとても良いホールでした。ここのホールは、演奏者が上手から登場するという珍しいタイプで、下手からの登場ならいつもパユが最初に出てくるのですが、上手からの登場なので、パユが4人の中で最後の登場でした。

 この公演のひとつの興味は委嘱作品がどんな作品かということでした。モーツァルトの四重奏では4人がくっついて、チェロ以外は立っての演奏で、チェロは台の上にのっての演奏でしたが、委嘱作品では、4人が舞台いっぱいに広がって、4人とも座っての演奏でした。

 この曲で、楽譜を譜面台に立ててセッティングしている時に、パユの楽譜がひらひらと譜面台の前方の床に落ちてしまいました。それをパユがフルートで、すっとたぐりよせて、譜面台にのせていました。

 この曲は、SF映画で宇宙人同士が超音波でやりとりしているというような感じでした。舞台いっぱいに広がって演奏しているということは、舞台の中央に音を集めて響かせているのかな、と思いました。

 私は、蜂がブンブンとんでいる音に聞こえるところや、風がヒューヒューと音を立てているように聞こえるところもあり、全体的にはとても面白く聞けました。

 この曲が終わると、4人が中央に集まって、パユがフルートを高くかかげながら客席の誰かを探しているようなしぐさをされていました。作曲家の棚田さんを呼ばれていたようで、棚田さんが客席から舞台に向かって走って来られて、パユと握手されて舞台にのぼって行かれました。

 モーツァルトの四重奏曲はCDでも何度も聴いていましたけれど、生演奏はやはり素晴らしくて、第2楽章のゆっくりしたところの方が印象が強く残っています。第1番の第2楽章は、涙が出るくらい美しかったです。

 それから、アンコールの2曲目の時に、パユがフルートを左の袖の中に隠して、舞台に登場されたのです。私は最前列の席だったのですが、最初パッと見たときには、カスタネットか小さい笛を持っているように見えていて、フルートを隠しているとは全然思っていませんでした。フルートをスッと袖から出して演奏されたときには、楽しかったです。

 アンコールは3曲演奏してくださったのですが、3曲目を演奏しようとした時に、チェロのギアン・ケラスさんが弓を持たずに舞台に出てこられていたので、アンコールをするとなった時に、ひとりで舞台袖に弓をとりに行かれました。3曲もアンコール演奏してくださって、良かったです。(1階1列20番)


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