パユのコンサート感想
2000年11月5日
会場:ザ・シンフォニーホール
共演:エリック・ル・サージュ(ピアノ)
プログラム ・ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲・ドビュッシー:喜びの島・ドビュッシー:パンの笛・ブーレーズ:ソナティナ・プロコフィエフ:フルートソナタ ニ長調
アンコール ヒンデミット「フルートソナタ」第3楽章からマーチ・ライネッケ「フルートソナタ ホ短調「水の精」から第2楽章・ボラン「フルートとピアノのための組曲」7番、Veloce/ヴェロス
感想:私は、パユとル・サージュのリサイタルを生で聴くのは今回が初めてです。いつもパユが舞台に登場される瞬間を、一番緊張して待ち構えています。5日はスーツにネクタイ姿でした。
今回のリサイタルで、まずすごいと思ったのは、パユのフルートと、ル・サージュのピアノが完全に一体となった音楽であることでした。普通フルートとピアノのリサイタルだと、あわせる為に、曲の始まりは特にお互いを見合ったりするものですが、そういう気配はまったくなく、自然に演奏して、自然にあっているような感じで、おふたりの息ぴったりの状態には感嘆しました。
あと、曲が終わってから、拍手がおこるまでの余韻の時間が非常にながくて、こんな経験も私は初めてで、感動しました。「パンの笛」の時は、譜面台なしのパユの独奏でしたが、パユがときどき目を閉じつつ、曲に陶酔して演奏している様子がよく見えて、最高でした。(私の座席は1階A列34番)
前半は静かな曲が続きましたが、後半は一転しました。ブーレーズは、譜面台
2本立てての演奏でした。すごい難曲ですが、パユにとってのステージでの世界初演を聴けて、大満足でした。プロコフィエフのソナタは、楽章が進むにつれて、聴いていてどんどん興奮してきました。ぐいぐいと迫りくる感覚がたまらなかったです。CDでは味わえない、迫力の演奏でした。
アンコールも3曲も演奏してくださるとは思っていなくて、ボランの曲もとても面白く聴きました。パユのフルートは、今まで生では室内楽と協奏曲しか、聴いたことがありませんでしたが、今回フルートリサイタルを聴き、パユのフルートの音色の変化がはっきりと分かって、フルートはこれだけ音色の変化がつけられる楽器なのかということを改めて感じました。
フルートリサイタルから1週間が経過した時点で、この文章を書きましたが、まだまだ5日のリサイタルの興奮からぬけきれません。次に大阪で、パユのコンサートがあるときには、もっとたくさんの方にパユのフルートを聴いていただきたいと思っています。
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