2022年公開レッスン

2022年7月9日(土) アーティストサロン“Dolce”(東京)

エマニュエル・パユ 公開マスタークラス

 

2022年7月9日土曜日 18:30  情報源

 

会場:アーティストサロン“Dolce”(東京)
 
【LIVE入場チケット】
一般4,000円、 DMC会員(大人)3,000円、 DMC会員(学生)2,500円

Web視聴チケット
2,750円
 
受講生
濱口 美咲(東京藝術大学別科 器楽専修1年)
プロコフィエフ:フルートソナタ Op.94
 
米田 優梨(桐朋学園大学音楽学部 研究生2年)
カルク=エラート:ソナタ Op.121
 


 
【2022年8月9日更新】
プロコフィエフ:フルートソナタ Op.94
 
 この曲を吹き始める時には、25分あるソナタの第1楽章ということを意識すること。疲れないように、演奏しないといけない。リサイタルでも、試験でも、最後にもってこない方がいい。疲れるから。
 
 この曲のキャラクターは、メランコリック。ffは、5番の前の1か所しかない。
 
 高音の最後のfは、ピアノとの会話。スラーがたくさんある。流れを大切に。
 
 8番は、テーマが戻って水平線のような感じで。細かくとっていくと、毎拍、遅れていく。
 
 フェルマーターの後、ブレスの後にピアニストに一緒に行く合図を。ピアノとフルートの会話が大切。
 
 最初も、一緒に行くという、ブレスをしてください。最初は、mf。fではない。fの半分くらい。ラから2音目のレに行く時に、音が切れてしまっているが、つなげて。歌手が旋律を歌うような感じで。スラーだと思って吹く。それに、舌がついてくる。
 
 ラ(同じ音)を繰り返す時、タンキングは濁音で。冒頭をfで演奏してください。(演奏)ビブラートが速くなったことに気が付きましたか。今のビブラートの速さを忘れずに、音量を下げて。
 
 人によって、pではビブラートがゆっくり、fではビブラートが速くなるが、自分でコントロールしないといけない。
 
 大きなホールで演奏する時には、pは表情豊かに、fはあるがままに演奏する。
 
 「レレレ」は、アテンション。キャラクターは、ここだけ別物。もっと短く。自分が違うことをやりたいと思うこと。ここは、他の要素とは関係ない。
 
 長い音にアクセントがついている時は、ディミニエンドする。テヌートは、音を保つ。
 
 同じ音を繰り返す時には、音楽の方向性を考える。
 
 1番は、ピアノがアウフタクトから始まる。和声を落ち着かせようと、何かを探している。フルートのところに、ピアノが下がって入って、調性を探している。その後のfは、いじいじしていたものが許可されて爆発する。でも、長くは続かない。
 
 モーツァルトの後は、音符に|がついていたら、短く、・は短くではなく、分けるという意味。
 
 レガートの表現は、体が丸くなる感じ。
 
 テンポが速いと、トゥでは、タンギングが聞こえない。濁音で。
 
 1番の2小節目のミと、4小節目のミは、同じではない。2小節目は、fisに行きたい。4小節目は、消え去っていく。
 
 2番は、大きな波が欲しい。小さなかたまりだと、マイクロアクセントに聞こえる。レガートとアーティキュレーションの両方が入っている。息で1音ずつ、音が変わらないように。弦楽器奏者がひと弓で演奏するような感じで。
 
 9番のあと。古い子守歌のイメージ。ノスタルジックに。
 
 トリプルタンギングは、つなげる時はTKTですが、このように単発で出てくる時はTTK。
 
 こういう曲を演奏する時には、ピアノと一緒に演奏すること。ひとりだけで練習していても、情報が少ない。
 
カルク=エラート:ソナタ Op.121
 
 テンションもあり、表情もあって、素晴らしい。作曲家が書いていることを、きちんと再現できている。よく勉強している。アーティキュレーションと低音のコントロールを改善できるかな、と思う。
 
 キャラクターによって、ソノリテが変わる。ソノリテを構成するのは、ビブラート、お腹のサポート、音の強さ、アーティキュレーションの4要素。音が始まる時の発音によって、キャラクターが変わる。
 
 あごが前に出ていて、くちびるがせますぎる。楽器を自分の方に持ってくる。
 
 低音は、空気の速度がゆっくり。オの母音。高音は、ウの母音。人によって違うけれども、これをレシピに、自分なりの、音の高さにあった口の中の形を考える。
 
 口の中にテニスボールが入っているイメージにすると、あごの関節が開いてくる。左肩があがると、空気の通り道がつまる。体の前と後ろを同時に開く。
 
 カルク=エラートは、楽譜に細かくいろいろと書いているが、27小節、28小節には何も書いていない。それは、音型で、自然にクレッシェンド、ディミニエンドになるから。
 
 38小節で、1部はおしまい。ではでは。
 
 61小節は、ライヒャルトと同じ音楽。
 
 上にあがる音型は、易しいが、下に降りる音型は難しい。
 
 口の中は、目に見えないので、自分の感覚をとぎすます。自分で発見しないといけない。