2023年公開レッスン

2023年3月8日(水) アーティストサロン“Dolce”(東京)

エマニュエル・パユ 公開マスタークラス

 

2023年3月8日水曜日17:00  ちらし
 
会場:アーティストサロン“Dolce”(東京)
 
【LIVE入場チケット】
一般4,000円、 DMC会員(一般)3,000円、 DMC会員(学生)2,500円
 
Web視聴チケット
2,750円
 
受講生
松井くるみ(東京藝術大学 大学院修士課程1年)
マラン・マレ: スペインのフォリア
 
瀧本実里(東京音楽大学卒業)
オーケストラスタディ
 


 


 


 
【2023年4月15日追記】
マラン・マレ: スペインのフォリア
 
 無伴奏フルートなので、ピアノと一緒の時よりも、インフォメーションが多く聞こえる。いつもよりも細かく聞こえる。美しい演奏。レッスンの前に、質問はありますか? (質問はなし)
 
 フルートのための曲ではない。ヴィオラ・ダ・ガンバのための曲で、編曲。
 
 フォリアは、熱狂的な、気違いじみた、の意味。
 
 アクセントによって、ファンタジーを表現すること。オリジナリティはコントラストにある。真面目な演奏ではなく、役者のようなパッションがほしい。
 
 バロック時代のf,pは、ダイナミクスではない。キャラクター、音色の変化。当時の楽器は、大きな音が出ないので、テキスチャーの色の違いを出したい。
  
 アルペジオを6弦で演奏するのと、フルートで演奏するのと感じが違う。装飾音は小さく、重さ、表情をつけない。
 
 ヴァリエーション1
 ロマンチックに演奏しないこと。しなやかさが必要。音に入っては出ていくの繰り返し。
 
 サロンでのフルートとチェンバロは、やわらかさが命。当時、大きな音が出るのは、オルガンとトランペットしかなかった。2,4,6小節に、音楽の大切さがきてる。ハーモニーが変わる所が大切。新しいことがおきる。
 
 舌を下においたままにする。タンギングがtuだと、前から出る雑音が入ってしまう。速いともっと雑音が入ってしまう。
 
 前にテンションが集まり過ぎて、音が壊れている。音を口の中で作るイメージがいい。ふぐの形。
 
 フランス音楽での付点は、すごく付点。すごく付点にしないと、熊の散歩のようになる。
 
 オートマチックなヴィブラートをかけるのは、音楽表現ではない。この曲は、ビィブラートはあまり必要ない。音色、リズム、拍間、アーティキュレーションを変える。
 
 低音が鳴らないのは、あごのポジションが同じだから。低音の時は、息を減らす。
 
 コンクールで、審査員は最初の15秒間で、決めている。冒頭から、自分に批判的に厳しく。難しい所、最後を練習する人が多いけれども、冒頭が大切。演奏前に、自分自身が決断して、先取りして進めていくこと。
 
 ヴァリエーション21
 16分音符が多い。雑音が聞こえないように。しなやかさが大切。3拍子の3拍目は、1拍目に運んでくれる拍。
 
 舌はデコレーションではない。どう表現したいかで、舌の使い方を変える。
 
 バロック時代の音楽は、しなやかさが必要。アクセント、力をとって、練習する。かたさもない。かたさは現代曲から。
 
 モダンフルートは、音のパレットが膨大にある。竹のフルート、尺八の音も表現できる。どの時代のどの音楽に、どのパレットを使うかを決めて、開拓する。
 
オーケストラスタディ 使われていた楽譜
 
[ベートーヴェン: 交響曲第3番「英雄」より第4楽章]
 ベートーヴェンは、オーケストラ曲でダイナミクスを書いた最初の作曲家。
 
 フルートのpのソロは、mfで吹いて、pに聞こえる。まわりの楽器が演奏しているので。
 
 アクセントがあって、pに戻る。多くのフルーティストは、pにいたるまでに、1小節をかけてしまう。Pに戻るのが遅れないように。
 
 ベートーヴェンの音楽は、もっと興奮、いつも興奮。
 
 8分音符のムーブメントが大切。メロディーが残っているので。
 
 ダイナミクスの場所にうるさいですが、多くの人が、クレッシェンドを早く始めて、ディミニエンドをし忘れる。よくない。オーケストラの中では、パズルのこまなので、その場所をずらさないこと。
 
 ベルリン・フィルのパユを演じる時には、楽譜に書いてある通りにする。テンポ、アーティキュレーション、ダイナミクスを書いてある通りに。
 
[ベートーヴェン レオノーレ序曲第3番 作品72a]
 ソロは、あまり大きくならない方がいい。卵から産まれそうで産まれない。ひよこから次に。
 
 高音がとぶのは、作曲家も分かっている。高音は自然にとぶ。アクセントだけど、Pの中で。下がっているフレーズは、大きくすることはない。
 
 3連符は、遅くしない方がいい。8分音符と差をつけようとすると、そうなるけれど、遅くしない方がいい。
 
 くりかえすミは、はっきりと聞こえるように。舌を前に使う時。
 
[ビゼー: オペラ「カルメン」 より間奏曲]
 ビゼーの後に、ブラームスを吹いてもらったのは、音質がブラームスに合っていると思ったから。しなやかだけど、強いキャラクターがあったので。
 
 カルメンは、自然のにおい、野生の食べ物のにおいを感じて。物質的に充実しない方がいい。木々の間を吹く風を感じて。詩を探す。カルメンは強さだけでは吹けない。ヴィブラートは繊細に。ブラームスでは、ヴィブラートを鳴り響かせてもいいが。
 
[ブラームス: 交響曲第4番より第4楽章] 
 速く。指揮者で変わるけれど。強さを出す。小節を変える時に、ゆるめる指揮者もいる。そこで、フルートを響かせる。
  
 半音階でおりる。方向性がない。最後の1小節で、フルートが出口を見せる。3小節目だけは、ハーモニーの役割。
 
 音がおりる時のヴィブラートに注意。興奮しない方がいい。
 
[ブラームス: 交響曲第1番より第4楽章]
 ブラームスは、ヨーロッパを旅した時、アルプスホルンを聞いた。ホルンは、太陽がのぼってくるイメージ。それが湖にうつる。光によって、人が生き始めるのをフルートで表現する。
 
 フルートは、楽器の中にヴィブラートを保つ。ホルンよりも、ヴィブラートが目立つと困る。
 
[ラヴェル: バレエ音楽「ダフニスとクロエ」]
 太陽が昇るのを表現。徐々に何があるのかが見えてくる。太陽があがるのが、他の楽器。
 
 スープル(しなやかに)。どの言葉が曲を呼び覚ますのかを考える。キャラクターは、ヨガ。太陽礼拝。
 
 177の前で、オケがクレッシェンドをするところで、フルートもクレッシェンドをする悪しき習慣がある。ここは、フルートはディミニエンド。
 
 パントマイムの音楽。寝ているクロエを呼び覚ますため。
 
 アッチェレランドのアクセントのイメージは、ピンポン玉がはねる感じ。---- --- -- - - - くっつかないように。
 
[プロコフィエフ: ピーターと狼より小鳥]  
 他の動物が木の枝に集まってきているイメージ。
 
 舌を上にあげる感じで。パ。軽く。
 
 2回目の方が簡単。1回目でそう吹けるといい。自分のテンポをとらえて、頭の中で、1回演奏してから、実際に吹く。