シルヴィア・カレッドゥのマスタークラスに行ってきました(2023年1月22日)
1月22日に、ドルチェ・アートホールOsakaへ、シルヴィア・カレッドゥのマスタークラスに行ってきました。レッスン内容をまとめておきます。生徒さんはふたりでした。
ゴーベール:ファンタジー
レッスンは、フランス語。
とてもきれいでした。この曲は、フランスの曲で、つくりがフランス的で、詳細を気にしなければいけない部分がたくさんある。詳細を考えながら吹けていないところがある。これから、それをやっていきましょう。
冒頭は、もう少しファンタジーな感じです。風のようなイメージで。
3小節
ミのビブラートは、ゆっくりの幅の大きなビブラートではどの音か分かりにくくなる。細かいビブラートにして、あとは、自然にまかせる。わざとらしいビブラートにしないこと。
10小節
ソラシドレミファソ~のリタルダントは、1回のみで。2回かけると、間が短くなる。アーティキュレーションをはっきりと。シンコペーションのイメージで。
Pは、息のスピードを落とさずに。息の通る道は小さくなるが、息のスピードは同じ。
練習方法として、同じスケールを2回、一度目はfで、二度目はpで違いをつけるのがある。その時に、fも、部屋の大きさを考えてどれくらいで吹くか、pも息のスピードをどれくらいにするかを考えて吹く。
この練習ができるところが、楽譜にある。(12小節と13小節)13小節目のppの吹き始めから、息のスピードがあがるとよい。息のコントロールが最初からできるように。息を向こうに、とばす感じ。
22小節
pのラシドドレ~は、息を前に出すイメージで。のどからではなく、お腹からつながって、息が出るイメージ。
36小節
音が下がってくる形の時に、息が内にきてるのが良くない。
48小節
レのトリルは、最初の2回は正規の指で。最初からトリルの替え指を使うと、音程が気になる。
53小節
レ(ロングトーンのp)の息の角度を探ってみて。ビブラートはわざとらしくなく、煙がただよう感じで。レは低くなりやすいので、口のまわりの筋肉を上にあげて、息をここ1点にあてるイメージ。
一部は、フルートのテクニックが難しい。この曲ができれば、どんな曲も怖くない。
69小節
低音は、お相撲さんのように重心が下にあるイメージで吹く。弓を全部使い切るイメージで。
80小節
スタッカートは音を切って、キラキラしたイメージで。舌の先をとがらせて、速く動かすこと。
129小節(スタッカート)
停滞しないで、前に進む。
155小節
高音のラ♭は、口の中を広くして、「オ」のイメージ。頭の上からひっぱられて、お腹は下に、間を広くする。
190小節
高いレのビブラートは、自然に。ウゥウゥウゥウゥとわざとらしくならないように。
206小節
指が速くても、息は前に。音が低くても、息の角度が下がらないようにする。
まとめ
息をたくさんお腹から入れるイメージで。すると、柔軟に息が出る。
プーランク:フルートソナタ
レッスンは英語。
よく研究してるのが分かる。スムーズに進められるところが、何か所かある。
冒頭は、フレージングは自由に。形式ばらないで。もう少し気楽な感じで。流れを柔軟に。ピシッとではなく、即興を入れたのかと思われるような感じで。
3小節
ド#のトリルは、前に進む感じで。
26小節
休符後、すぐに行かないで、フレーズの終わり感を出す。音楽が息をしている感じで。
59小節(レ#ファ♯ソ♯)
衝撃的にならないように。指の動きが音に影響をおよぼす。手の中に、粘着糊があるような感じで。色を変えないといけないが、音程が変わらないよう。
73小節から(ファソラソ~)
フレーズが切れないように。オーケストラで、フルートが入っていく時、色が違う音が出す時、まわりとの調和が必要。
78、79小節
生徒からの質問「73小節にfの指示があって、そこから79小節まで、何も指示がない。ずっとfはどうかと思うので、78小節と79小節のラ♭の音量を変えて吹いているが、それはどうか」
「時と場合による。バロックや、モーツァルトの時代は、演奏者が曲のロジックが分かっていて、この音型なら、こういう音量というのがあったが、徐々に演奏者がそれを分からなくなってきて、作曲家自身が強弱記号を楽譜に書くようになった。ここは、どういうfかで違いをつけるのは良いが、音量で変えるのは、作曲者の意志に反する」
94小節、95小節(ドシドレラファレ~)
先ほど言ったことと矛盾するが、ここは楽譜には書いていないが、音量をあげていく。
102小節
ドレミファソラシは、ゆっくりめに聴かせてもいい。
120、121小節(ドシラシレミ)
ここは、ハーモニクスが不安定。ピアノの音の移り変わりに敏感に。
126小節~(レドシラシソシド~)
おおらかに。あまり正確過ぎず。計算したようにならずに、どこに行くのか分からない感じで。
134小節
シソシソシの最後のシは、ピアノとの和音にはめこむこと。ここは、3つでカウントすると、ピアノとあいやすい。
まとめ
画家が筆をおき、ヴァイオリン奏者が弓を終えて、新しく行くように、フルートも音をイメージしてから、音を出すと、体が備える。
吹く前にイメージをつかむ。曲の最初のアーティキュレーションが、後のフレーズに影響を与える。
ピアニストは、スタッカートやレガートを指の動きで表現するが、フルーティストは、それを忘れがち。レガートの時、フルートのキーを強く押すと、レガートにならない。
ミニコンサートのアンコールは、ゴーベール:マドリガルでした。