パオロ・タバリオーネのマスタークラスを見ました(2022年11月16日)
2022年11月16日に、ドルチェ楽器大阪で行われた、パオロ・タバリオーネのマスタークラスをWebで見ました。私は、パオロ・タバリオーネは、まったく知りませんでしたが、今まで海外のフルーティストのマスタークラスは、みんなとても良かったですので、Web視聴チケットを買いました。
レッスンは英語でした。生徒さんはふたりでした。内容をまとめておきます。
ドゥメルスマン:オベロンの主題によるファンタジー
テクニック的に難しい曲。
オペラファンタジーは、書いてあることだけを演奏しない。キャラクターを出すことが大切。あなたのフルートは、完璧。ちょっと特別なことを探す。すると、あなたのオペラが見つかる。オペラの中では自由。オペラは、歌手が歌っていることを忘れない。
歌手はレガートが上手。冒頭、レ~シは、ディミニエンドを考える。ソ~レは、クレッシェンドをする前に、レガートを作る。
最初の8小節は、pの中で、クレッシェンド、ディミニエンドする。その後のmfで、変化が分かるようにする。
オペラでは、歌手が突然声質を変える。ppの前で、ディミニエンドしない。ppで話しているように。
テーマでは、長い音が次の小節に続くような意識を持つ。長い音でディミニエンドしないよう、飛んでいるような感じで、歩いているのではなく。
ブレスの場所を考えて。ブレスの前でディミニエンドしない。
pppの大事なカラーの前で、客に予測させない。驚きにならないといけない。
バリエーションを演奏する時は、難しくても、キャラクターがテーマと同じようなカラー、スタイルにしないといけない。
第1バリエーションは、テーマに似ている。第2バリエーションは、冗談を言い始める。
ファイナルの前の音は、短く切らないようにしたらどうか。
ファイナルのレの音は軽く。
イベール:フルート協奏曲第3楽章
最初のアーティキュレーションが難しい。大きなコンサートホールで聞こえないといけない。だんだんとレガートに聞こえてしまう。シングルタンギングを、もっと誇張しないといけない。誇張しないと、お客に聞こえない。
この曲は、オーケストラとでも、ピアノとでも、バランスの問題なく、良く書かれている。
フレンチfで、ffではなく。
41小節、フランス音楽で、クレッシェンド、ディミニエンドが出てきたら、ラヴェル、ドビュッシーの印象派の音楽をイメージする。
44小節、スイングしている。裏拍に強拍がくる。モダンな音楽だから。
ディミニエンド、ラレンタンドを早く始めない。そうでないと、練習のように聞こえる。
顔に緊張がありすぎると、首がとじて、体を使えなくなる。高い音fが、高くなりすぎる。
49小節の4小節前、長い音の時に、体をオープンにしておくこと。
51小節は、もっと時間をとる。遅くならないようにと考えない。フルートをひとりにしてくれている。長い音は、3連符まで行く。クレッシェンド、ディミニエンドにしない。
フランス風のルバートつける。フランススタイルは、インテンポで吹くことを好まない。表情豊かなキャラクターをpの中で探す。
56小節は、風が入ってきたかのように。
最後のカデンツは、時間をとって。カデンツは、響きが重要。残響が音楽をつくる。音楽をつくる時に静寂を使う。やりたいようにあなたの時間を使う。